justachild.exblog.jp
ここや/そこ/あちこちで/わたしたちは/徹底的に/やる

タグ:グロリア・グレアム ( 2 ) タグの人気記事

グロリア・グレアムの3つ

● ところで、これはどんな映画ファンもほとんど同じ想いだったにちがいないのだが、1940―1950年代のモノクロ女優のなかで、だれの裸をいちばん見たかったといえば、それはイングリッド・バーグマンでもなく、ローレン・バコールでもなく、ラナ・ターナーでもなく、バーバラ・スタンウィックでもない――それはグロリア・グレアムだった。ニコラス・レイ監督の『孤独な場所で』(1950)は1950年代にはまだ日本では公開されていなかったが、『悪人と美女』(ヴィンセント・ミネリ監督、1952)や『摩天楼の影』(マックスウェル・シェイン監督、1952)や『復讐は俺に任せろ(ビッグ・ヒート 復讐は俺にまかせろ)』(フリッツ・ラング監督、1953)のグロリア・グレアム。
P62<女の犯罪、女の活劇――フィルム・ノワール断章>

● こんなときに、40年代の「フィルム・ノワール」の女たちは、いささかも淫らな態度を見せない。下着姿でも着乱れた感じはまったくない。男を誘惑することは、男に媚びることではなく、男を脅迫すること、あるいはむしろ精神的にも肉体的にも完全に支配することなのだ。おそらく唯一の例外がグロリア・グレアムだった。彼女はあたかも50年代の遅れてきたファム・ファタールといった感じだった。ニコラス・レイ監督の『孤独な場所で』(1950)やフリッツ・ラング監督の『復讐は俺に任せろ』(1953、新題名『ビッグ・ヒート 復讐は俺にまかせろ』)では、あの着乱れた黒のスリップ姿の眠たげな風情は心やさしさの表現だった。
P162<拳銃に魅せられた女、ペギー・カミンズ>

● 女をいためつけるというスクリーンのサディズムのひとつのパターンがあるけれども、1950年代までの映画史でのその最も残酷な例のひとつは、おそらくはフリッツ・ラング監督の『復讐は俺に任せろ(ビッグ・ヒート 復讐は俺にまかせろ)』(1953)でリー・マーヴィンがグロリア・グレアムの顔に煮えたぎる熱湯(だったか、コーヒーだったか)をぶっかけるシーンであった。それとて、いわば映画的に、顔の半面を繃帯でおおったグロリア・グレアムの鼻をふくめたもう半面の横顔の美しさをきわだたせるためでもあるかのようだった。
P266<暗黒街の女、シド・チャリシー>


(山田宏一 『新編 美女と犯罪』 ワイズ出版)
[PR]
by JustAChild | 2010-08-28 06:00 | Wards

Gloria Grahame

c0144309_630265.jpg

c0144309_6311167.jpg

c0144309_634623.jpg

c0144309_631441.jpg

[PR]
by JustAChild | 2010-08-28 05:14 | G

タグ:グロリア・グレアム ( 2 ) タグの人気記事

グロリア・グレアムの3つ

● ところで、これはどんな映画ファンもほとんど同じ想いだったにちがいないのだが、1940―1950年代のモノクロ女優のなかで、だれの裸をいちばん見たかったといえば、それはイングリッド・バーグマンでもなく、ローレン・バコールでもなく、ラナ・ターナーでもなく、バーバラ・スタンウィックでもない――それはグロリア・グレアムだった。ニコラス・レイ監督の『孤独な場所で』(1950)は1950年代にはまだ日本では公開されていなかったが、『悪人と美女』(ヴィンセント・ミネリ監督、1952)や『摩天楼の影』(マックスウェル・シェイン監督、1952)や『復讐は俺に任せろ(ビッグ・ヒート 復讐は俺にまかせろ)』(フリッツ・ラング監督、1953)のグロリア・グレアム。
P62<女の犯罪、女の活劇――フィルム・ノワール断章>

● こんなときに、40年代の「フィルム・ノワール」の女たちは、いささかも淫らな態度を見せない。下着姿でも着乱れた感じはまったくない。男を誘惑することは、男に媚びることではなく、男を脅迫すること、あるいはむしろ精神的にも肉体的にも完全に支配することなのだ。おそらく唯一の例外がグロリア・グレアムだった。彼女はあたかも50年代の遅れてきたファム・ファタールといった感じだった。ニコラス・レイ監督の『孤独な場所で』(1950)やフリッツ・ラング監督の『復讐は俺に任せろ』(1953、新題名『ビッグ・ヒート 復讐は俺にまかせろ』)では、あの着乱れた黒のスリップ姿の眠たげな風情は心やさしさの表現だった。
P162<拳銃に魅せられた女、ペギー・カミンズ>

● 女をいためつけるというスクリーンのサディズムのひとつのパターンがあるけれども、1950年代までの映画史でのその最も残酷な例のひとつは、おそらくはフリッツ・ラング監督の『復讐は俺に任せろ(ビッグ・ヒート 復讐は俺にまかせろ)』(1953)でリー・マーヴィンがグロリア・グレアムの顔に煮えたぎる熱湯(だったか、コーヒーだったか)をぶっかけるシーンであった。それとて、いわば映画的に、顔の半面を繃帯でおおったグロリア・グレアムの鼻をふくめたもう半面の横顔の美しさをきわだたせるためでもあるかのようだった。
P266<暗黒街の女、シド・チャリシー>


(山田宏一 『新編 美女と犯罪』 ワイズ出版)
[PR]
by JustAChild | 2010-08-28 06:00 | Wards

Gloria Grahame

c0144309_630265.jpg

c0144309_6311167.jpg

c0144309_634623.jpg

c0144309_631441.jpg

[PR]
by JustAChild | 2010-08-28 05:14 | G


ここや/そこ/あちこちで/わたしたちは/徹底的に/やる


by JUSTAchild

プロフィールを見る

カテゴリ

A
B
C
D
E
F
G
H
I
J
K
L
M
N
O
P
Q
R
S
T
U
V
W
X
Y
Z
Wards

以前の記事

2016年 04月
2015年 01月
2014年 06月
2012年 12月
2012年 03月
2011年 07月
2011年 06月
2011年 03月
2011年 02月
2011年 01月
2010年 12月
2010年 11月
2010年 10月
2010年 09月
2010年 08月
2010年 07月
2010年 06月
2010年 05月
2009年 06月
2009年 01月
2008年 12月
2008年 11月
2008年 09月
2008年 08月
2008年 07月

タグ

検索

記事ランキング